赤、黒、橙。水面で揺らめく金魚たちをそっと掬うように、ポイを水面に、斜めに、差し込む。ようにケーキを切った彼女のことを思い出す。
教会...
東の国の果てにはかつての私の父だったものが、いるらしかった
ままあ、m ママの、ショートケーキの体を大きく抱きしめて、大きなことを言って、大き...
あなたが大切だよ 私は毎朝顔を洗って歯を磨いて寝床を整えて朝食をとるけど あなたが大切だよ 私は毎晩身体を洗って歯を磨いて部屋を片付けて早い時間に眠るけど...
ストストロンンググゼロと 睡眠薬が
おとといの青椒肉絲が
つくえに置きっぱなしなんだよ どうなっっ
てん っんだよ...
「直治は」
妻の声はベッドから醸される湿気と共に背中へと追いすがった。水を口にふくんでから喉を少し鳴らして応えようとする...
秋風がわたしを横切って、ちょっとさみしい。露天風呂に浸かっている時の抗うことのできないさみしさのことを思い出す。皮膚の表面に付着した水滴の蒸発にともなって...
体温をあたえるために、呼ばれるなまえを、日陰になって、から、そのときだけ、認識できない、からだ、よ、よく、並んだ家の、岸でないている、それから、爪先を撫で...
永遠、のこと
ひらりと落ちていく
きみは、だれ
、?
孕んだことばに
手を伸ばす
夏の暮れのある日、英二は乗り込んだバスの車窓から、一棟の鉄塔を眺めて心を奪われた。住宅街を抜けていくバスが小川の橋の上を渡っ...
すず風に揺すり立つ波池水もさやかなりけり柳若草
腐敗した爪を、舐めることに、似て、その焦点は、あまい、あまがみ、しずまり、きく、それは、ふれる、ということだよ、死のにおい、体が熱いから、あなたは砂浜にい...
はやくなっていく逆光が、あなたの胸のなかから飛びでて、血飛沫みたいだね、と、いったあの子から消えていく、そう纏う、だって、みがかれた鏡みたいにはなりなくな...
透明な、なにもないような、あなたの世界には、翅のある、いきものがいて、待つことがとくいだから、装いを、やわらかくしている、そばにいたい、と、ぼくは云った、...
もしもね、わたしが犬になっても愛していてほしいの、もうすぐわたし、意識があたらしいおもさをつつんで、ちょうど一匹の犬みたいになるの。
犬みたい...
なんてうららかな春の日に
何億光年の宇宙にたたずむ
小さな星のおもてがぴくりと揺らげば
僕たちは死なないはずが...
泣いてはいけない。泣くのは今の生活を嫌がっているからだ。笑ってはいけない。笑うのは昔の生活を懐かしんでいるからだ。<...
どこにもゆかれないあたたかさのなか手向ける窓の向こうのひとびとへ身じろぎもせぬまなこ
...
古い仕事を思い出した
底のない水面から
暗い水を掬う