鳴き声は途絶えない
体温をあたえるために、呼ばれるなまえを、日陰になって、から、そのときだけ、認識できない、からだ、よ、よく、並んだ家の、岸でないている、それから、爪先を撫でる、ように
ちいさな生に入り込んで、衣服の一つに委ねる、セイメイ、として惹かれる、液体、かくじつな癒着の、傍観者だった、いずみの、日のシワの指す先にいる、致死量のただしさ。
経験が消えたあとには、夜が明ける。じきに朝焼けの光に打ち殺される(みたい。)彼女から、液体が漏れ出している。
ははの子宮の、つめたい粘液
(ひとびとの内部に秘められている。更新されない性。)
──背骨がきれいに生え揃うのを、求められている──ざらついた地面の、つめたさが、草木を生やす、熟れた果実を、波として潰す、果肉に触れて、
気持ちいい、と、鳴いて。
まるい部屋から手足を伸ばす
、ための、拙い腕で、起きぬけの足で蹴り上げて。殆どが沈んだ肉体で、体温に犯されている。わたしのものじやない別れに、引き戻された、ハハは、うつくしいままに、産まれていた。
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